徳友会館は、昭和39年(1964)年に落成した木造二階建ての本部教場の耐震化と、茶道普施設としての機能の充実を図るために、大日本茶道学会創立100周年記念事業の一環として、平成13年(2001年)に竣工しました。徳友会館内には、本部教場や数々の書院・草庵、記念施設の他、三徳庵の事務局が所在しています。
本部教場には、田中仙翁会長が制定した道場制の扇額が掲げられており、六つの十畳間と二つの大水屋があり、同じ教習内容の稽古を全員が一斉に行うことができるように作られています。また、茶花教習や講演に利用可能な講義室や、椅子を利用して茶道を教習する設備も整っています。
教場のほか、書院の大広間から草庵の小間までが整えられており、茶道文化の歴史的な発展を体験できる作りになっています。これらの設備は、茶会の開催を通じて参加者に公開されます。
「仁山堂(じんざんどう)」は、大日本茶道学会の創設者である田中仙樵の別号「仁山」に由来している、座禅堂形式の記念施設です。田中仙樵の命日である10月6日には、その遺徳を忍びながら功績を振り返り、大日本茶道学会創設の趣旨に立ちかえるために、「仙樵忌」を毎年行い、多くの方がお参りされます。
「三徳庵(さんとくあん)」は、四畳半本勝手、洞庫を持ち、水屋、雪隠が付属した茶室で、田中仙樵・仙翁歴代大日本茶道学会会長の別号ともなっている茶室です。大正12年(1923年)に竣工された三徳庵は、本部の移設にともなう移動や、疎開をへて、昭和26年(1951年)に現在の本部に移築復元されました。