適切な漢語表現が思い浮かばないとはいえ、65歳となる新年を迎えるにあたって、一つの節目を感じています。
奇しくも、近年の茶道研究の進展によって、珠光がはじめ、紹鷗が中興し、利休が大成したという従来の「わび茶」史観も、見直しを余儀なくされています。識者からの批判に耐えられるようなきちんとした茶道史の構築も、茶道が文化として正統に位置づけられるためには重要です。
一方、茶道が、文化として活性化するためには、歴史的な説明よりも、関わることでどのような魅力を感ずることができるのかという事前の情報開示も、すでに花嫁修業という言葉が死語となった現代には不可欠です。
「魅力などと偉そうに語る経歴ではない」と思っておりましたが、年齢だけは、「この年になって魅力を語れないのか」と問われるまで重ねてしまった、と覚悟をきめて、自身が感じてきた茶道の魅力を積極的に示していなければいけないと考えております。
皆様も、ご自身の感じている茶道の魅力を周囲の人に伝えることが、この道を未来に残していくことにつながると考え、手を携えていただければ幸いです。
令和5年1月1日