コロナの期間は、流派内での茶会が主流でしたが、いろいろな流派が集まって茶会を催すと、気づくことも多いものです。
各流儀で大切にしていることが違うのですから、もてなし方、茶席に使う道具や、その設えにも差が出て参ります。つい、自分の知らないことがあると、不思議に思ってしまうのが人の常ですが、幅を広げていくには、いろいろなことに出合う機会というものが大切だということに気が付かせられます。
待合で並んでいるときに、「お待たせして申しわけありません」「この席は○○分くらいで1席を行っています」などと、目安を話してくださると、同じ待つにも心にゆとりができるようです。
ふだん使わないような菓子器で菓子が持ち出されてときに、ちょっと席主の方が使い方を話してくださると、安心して使うことができます。流派によっても使い方が異なりますので、失礼になってはと客は考えるものですから。
また、点前や給仕の仕方などを拝見しても、違った方法を見ることで、自分たちが求めている茶席の運営というものを再確認することもできます。いろいろ給仕や、歩き方などを細かく伝えられてきた訳も納得がいくこともあるでしょう。さらに、もっとこんな風に扱っていただきたいな、などと感じることもあるということは、自分の流派の小さな枠の中に閉じこもらずに、広くいろいろな流派の作法も見てみることが大切だということがわかります。
何が良くて、何が悪いというのではありません。もっと小さな範囲にとどまらず、自分たちの世界を広げて、人に相対することができたら、いいなと感じました。