大日本茶道学会

【茶道コラム】第43回「身を屈める」を追加しました

基本的な和のマナーをお伝えする機会をいただきました。畳の生活から離れてしまった今
どこから始めようかと少々悩みましたが、玄関での振舞いからお伝えすることにしました。
  徳友会館の中には三通りの玄関があり、それぞれ上がり框の高さが異なっています。上
がり框が10センチ程度の玄関から始めました。
 「玄関の内側を向いたまま上がって、改めて履物の向きを変えてください」と説明して
所作をしていただくと、おや?立ったままで履物の向きを変えられてしまいます。
 また、沓脱石から一足で框に上がれそうな玄関に案内すると、元気よく框に上ろうと
されるので「ちょっと膝をついて上がった方が、着物などのときでも役に立ちますよ」と
一言添えると、「しゃがむのですね。このごろ膝を曲げないからできるかしら」と
不安な声が返ってきました。
 和室での振舞は、畳の上に座り立ち居をすることが基本となっているのですが、日常の
生活では椅子に座るときくらいしか足を曲げないのかもしれません。
床に落ちたゴミを拾うときでも、立ったまま手を下の方に伸ばしているかもしれません。
そう考えてみると、床掃除もハンディモップが主流なので膝をついて雑巾がけをするなどと
いうこともしなくなっています。
ちょっと低いところの物をとるのでも、諸先輩たちは、軽く膝を斜めにして身を屈めて
いらしたこと、その姿が目に浮かびました。
 ふと、屈伸するように膝を曲げていた自分の姿と比べて、来年は優雅に身を屈める練習を
して、ふとした時にやんわりと物を扱えるようにしたいなと素敵な茶人への目標が
またひとつ見つかりました。

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