大日本茶道学会

【茶道コラム】第42回「道具を尊重する心」を追加しました

京都国立博物館で「特別展 京に生きる文化 茶の湯」の展覧会を催していて、
久しぶりに京都に足を運びました。
 喫茶の文化との出会いから、現在の茶の湯まで活字で読む茶道史を目で見ている
ような展示に、ときどき足を休めながら一つひとつを堪能しました。
 現代に近づくほど、拝見したことのある道具が並ぶようになりましたが、初めて
拝見する道具には、また、それなりの思い入れが生まれます。
 よくこれだけの時代に幅のある道具が並んだものだと感動すればするほど、その
時代にはじめて異国の道具に出合った人たちは、どんな思いでその道具たちと出合っ
たのかと想像したくなります。
 きっと見たこともない道具だから、興味を持ち、どのように扱えば道具を損じな
いのかと考えたことでしょう。何人もの人の手に亘ながらも現在までに続いている
のは、そういった思いの賜物なのかと。また、珍しいものに出合ったからこそ、次の
新たな創造が生まれ、いろいろな道具や取り合わせが時代を楽しませてくれたのかと、
継承と創造の茶の世界を作り上げてきた人たちの漲る力を感じます。
 果たして、道具を見て何かを感じ、また、生み出そうと努力していたのでしょうか。
もしかしたら、ただ手順だけを学んでいたのではないかと自らを省み、どんな道具にでも
敬意を払って愛でる気持ちを忘れてはいけないと思い出させてくれたひとときでした。

                            教場長 田中 仙融

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