大日本茶道学会

【茶道コラム】第39回「抹茶をたのしみましょう」を追加しました

「素敵な茶人ってどんな人かしら?」とこのコラムを執筆しながら、 実は私自身が模索している
というのが実情です。
 何かをみなさんと分かち合いたいという思いが強かったのか、先日とても大切なことを忘れていた
ことに気が付きました。

ご覧いただいた方もあるかもしれませんが、農林水産省のYouTubeを作っているグループの中の
「和食ぅライフバランス(わーくぅライフバランス)」という方々に協力した際のことです。文化庁とのコラボ
ではなく、 農林水産省?と不思議に思われた方も多いと思うのですが、 抹茶も生産物の一つという
観点からのコラボでした。

茶臼で抹茶を挽くことを体験しながら、 仙堂会長が臼の成り立ちから説明し、 来訪された三名の
農林水産省の方が抹茶を飲んだり、点てたりということの体験をしていただく動画として仕上がりました。
撮影を傍で拝見していたときに何度か 「どきっと」 する瞬間があったのです。

抹茶を挽いていると、はじめてご覧になるので、 「いい香りですね」 「綺麗な緑色ですね」 と当たり前
と思っている抹茶に対して、新鮮な感想を述べられるのです。そして、召し上がった後、 「なんか気持ち
がほっとしますね 」 「 すきっとします 」 「 落ち着く感じですね 」 とゆっくりと楽しみながら茶を味わって
くださったのです。
 
 お稽古をしているときに抹茶をいただく皆さんの姿を拝見していると、確かに美味しそうには召し上がって
いるのですが、 その前にあいさつや、 茶碗を持つ作法の方が気になり、 ゆっくりと味わっていないのでは
ないかという気がいたします。

唇から舌を通して喉を通る抹茶の味を、 もっとゆっくり味わえる余裕を持つこと、 それが素敵な茶人
なのかなと。 口切りの季節に新しい抹茶を心行くまで楽しみましょう。

            教場長 田中 仙融 (令和3年11月発行 会報「えんじゅ109号」掲載)

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