大日本茶道学会 - 公益財団法人三徳庵

令和3年2月:閉じこもるならば

緊急事態宣言を受けて、家の中に閉じこもらなければいけない状況が広がってまいりました。こんな時には、下手に外の様子を探ろうとして不安になるよりも、自分の内側に徹底的に目を向けてみませんか。

内側と言っても、「心」というようなつかみどころのないものをいきなり探れとお奨めしているわけではありません。心理的な内観を行うには、適切な指導者の下で行わないととんでもないことになることは、たとえば、禅の世界では、古来、「魔境」とか、「野狐禅」といういい方で注意喚起されています。

「マインドフルネス」と呼ばれ、ビジネスでも注目されている瞑想が、「悟り」を目標としない形で、逆輸入されているのをよくご存じの方も多いかとは思います。

自分の内部の注目するポイントとして、どのような感情が湧き上がっているのか、自分の身体にどんな反応が起きているか、に気を付けることがあげられています。これから取り組む方には、感情よりも、身体に方に関心を向けることをお奨めしたいと思います。

具体的には、自分の姿勢、頭の位置がどこにあるか、お尻がどのように接しているか。また、腰かけて行う時には、両足がしっかり地面について自分の体重を支えているか、と確認してみても良いでしょう。
 腰かけた時の疲労の原因の一部は、姿勢のバランスの悪さに加え、体重をお尻のみで支えて、足が体を支えることに全く寄与していない点なども明らかにされています。

稽古場でなくても、正座をしてマインドフルネスというのも大歓迎です。身体に意識を向けると正座をするというのも、筋肉を使っているのに気が付かれるはずです。

動かないと衰えていることに気が付いたら、まずは正座する時間を作り、さらには正座から立ち居をする練習へと、筋肉を衰えさせないという課題にも積極的に取り組む気持ちになるのではないでしょうか。

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